PXC Weekly Journal #39 2025/12/16
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2025.12.16
こんにちは!
ピクセルカンパニーズ広報のYです。
今週も世界のAI・GPU・データセンター・半導体関連の最新ニュースをお届けする『ウィークリージャーナル』の時間です。今週のテーマは「AI半導体輸出規制の緩和と開発競争の激化」です。
先週、米国が先端AIチップの対中輸出規制を一部緩和する方針を示したことで、グローバルなAI半導体競争に新たな局面が訪れています。輸出解禁により中国企業の需要が一気に高まる一方、安全保障リスクへの懸念から米政界では議論が巻き起こりました。また、中国では自国製半導体の技術向上が示され、西側企業も液冷GPUクラスタなどハードウェア革新を加速しています。それでは、今週のピックアップニュースをどうぞ!
ピックアップニュース
① 米国、NVIDIA製高性能AIチップの中国向け販売を条件付きで容認
米国政府は、NVIDIAの高性能AIチップ「H200」について、中国向け輸出を条件付きで認める方針を示しました。輸出に際しては売上の約25%を政府が徴収する仕組みとされ、安全保障上の管理を維持しつつ、米国企業の競争力低下を防ぐ狙いがあります。完全な輸出禁止による市場喪失を回避する現実的判断とも言え、今後の対中半導体政策の転換点として注目されています。
ソース:トランプ政権、NVIDIAの高性能H200チップの対中販売を容認(Al Jazeera)
② NVIDIA、中国市場でH200需要が急増し増産を検討
NVIDIAは、中国向け輸出が認められたAIチップ「H200」に対する需要が急拡大していることを受け、生産体制の見直しを検討していると報じられました。AlibabaやByteDanceなど中国大手テック企業が関心を示しており、生成AI基盤向けの需要が背景にあります。一方で、次世代GPU「Blackwell」向け生産とのバランス調整が課題となっており、供給戦略が今後の業績にも影響しそうです。
ソース:中国需要の高まりを受け、NVIDIAがH200チップの増産を検討(Reuters)
③ SuperMicro、NVIDIA Blackwell対応の高密度液冷AIサーバーを発表
SuperMicroは、NVIDIAの次世代GPU「Blackwell」に対応した液冷AIサーバーの量産出荷を開始しました。1ラックあたり最大144基のGPUを搭載できる設計で、大規模AI学習や推論向けの高密度データセンターに最適化されています。電力効率と冷却性能を両立することで、AIファクトリー需要の拡大を取り込み、NVIDIAエコシステムにおける存在感をさらに高めています。
ソース:SuperMicro、NVIDIA Blackwell対応の液冷HGX B300ソリューションを発表(PR Newswire)
④ NVIDIA H200、中国市場参入は依然として不透明
NVIDIAのH200は米国政府から対中輸出の承認を得たものの、中国市場への本格的な流入は依然不透明だと報じられています。中国政府による購入承認や政策判断が鍵を握っており、海外製高性能GPUへの依存と国産半導体育成とのバランスが問われています。規制緩和が即市場拡大につながるわけではなく、中国側の戦略的判断が今後の動向を左右しそうです。
ソース:NVIDIAのH200は承認されたが、中国市場参入は依然不透明(TechNode)
⑤ 中国大手テック企業、NVIDIA H200の購入を検討
米国の輸出承認を受け、中国のAlibabaやByteDanceなど大手テック企業がNVIDIAのH200チップ購入を検討していると報じられました。H200は従来中国向けに提供されていたH20よりも性能が高く、生成AIや大規模言語モデルの開発に適しています。一方、中国政府は国産半導体優先の方針も維持しており、実際の導入規模や時期は政策判断に左右される見通しです。
ソース:トランプ政権の輸出容認を受け、AlibabaがNVIDIA H200に関心(IDN Financials)
世界の情勢と今週のテーマ(まとめ)
今週は、AI半導体を巡る輸出規制が「全面遮断」から「条件付き管理」へと揺れ動く局面が鮮明になりました。
NVIDIAを中心に、米国・中国・クラウド事業者・サーバーメーカーが複雑に絡み合い、AIインフラ市場は再び拡張フェーズに入りつつあります。
一方で、中国は海外製GPUへの依存を続けながらも、国産半導体育成を同時に進める難しい舵取りを迫られています。SuperMicroのようなハードウェア企業も、高密度・省電力という次の競争軸で存在感を強めています。
AI時代のインフラ競争は、技術力だけでなく、政策・地政学・供給網戦略を含めた総合戦へと進化しています。
今後もこの構図の変化を注視していきたいと思います。
それでは、また来週のウィークリー・ジャーナルでお会いしましょう。

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