今週のピクセル・ウィークリー・ジャーナル（2025年12月2日〜12月8日）

こんにちは！ ピクセルカンパニーズ広報のYです。
今週も世界のAI・GPU・データセンター・半導体関連の最新ニュースをお届けする『ウィークリージャーナル』の時間です。今週のテーマは「AI計算インフラへの巨額投資とエコシステム拡大」。生成AIブームを背景に、各社がAIインフラ構築に巨額資金を投入し、新たな協業や競争がグローバルに展開されています。エヌビディアによるEDA企業への出資やクラウド大手との提携、中国新興企業の台頭、さらには巨大データセンター建設計画まで、AI計算基盤を巡る動きが活発です。それでは、今週のピックアップニュースをどうぞ！

ピックアップニュース

① エヌビディア、半導体EDA大手に20億ドル出資

 エヌビディアは半導体設計ソフト大手シノプシスに20億ドル（約3,000億円）を出資し、AIを活用した次世代のチップ設計ツールを共同開発する戦略提携を発表しました。エヌビディアがEDA分野に本格参入することで、設計から製造までAI主導の開発効率化を図る狙いです。
ソース：米エヌビディア、半導体設計ソフトのシノプシスに20億ドル出資 

② AWS、次世代チップでエヌビディアと協業強化

 アマゾン傘下のAWSは年次カンファレンス「re:Invent 2025」で、次世代の自社AIチップ「Trainium4」にエヌビディアの高速チップ間通信技術「NVLink Fusion」を採用すると発表しました。また、現行の新AIチップ「Trainium3」を搭載したサーバーも披露され、前世代比で計算性能が4倍に向上し消費電力を40％削減したとしています。
ソース：アマゾン、次世代AIチップにエヌビディア技術　新サーバーも発表 

③ SuperMicro、NVIDIA基盤のAIファクトリー向けクラスタを発表 

米サーバー企業SuperMicroは、NVIDIAの最新エンタープライズ・リファレンスアーキテクチャと次世代GPU「Blackwell」を採用したAIファクトリー向けクラスタソリューションを発表しました。事前統合・検証済みのフルスタックシステムとして提供され、データセンター構築のリードタイム短縮と大規模AI導入の簡素化を実現します。高密度なAI/HPCインフラを迅速に展開できるよう設計されています。
ソース：Supermicro、NVIDIA エンタープライズ・リファレンスアーキテクチャおよび NVIDIA Blackwell AI インフラを基盤とした新しい AI ファクトリー向けクラスタソリューションを発表 ― 大規模 AI 導入を簡素化 

④ 「中国のエヌビディア」摩爾線程が上海市場で異例の高評価デビュー

中国のGPUスタートアップ摩爾線程（ムーアスレッド）が上海証券取引所に新規上場し、初値は公募価格の5倍超となる650元を付ける驚異的なデビューを果たしました。同社はIPOで約80億元（約1.3兆円）を調達済みで、中国政府の半導体自給戦略を背景に国内AIチップ需要の期待を集めています。ただし未だ収益化しておらず、専門家は競争激化による将来の不透明さも指摘しています。
ソース：「中国のエヌビディア」が上海上場、初値は公開価格の5倍以上に 

⑤ TikTok、ブラジルに巨額投資し最先端データセンター建設へ 

中国系SNS大手TikTokは、ブラジル北東部セアラ州に同国最大級となる最新AI対応データセンターを建設すべく、2035年までに総額2,000億レアル（約5.6兆円）超を投資すると発表しました。第1期施設は2027年稼働開始予定で、AIを含む急増するデータ需要に対応する狙いです。グローバル企業による地域での大規模インフラ投資の一例として注目されています。
ソース：TikTok、ブラジルに2000億レアル超投資　データセンター建設

世界情勢と今週のテーマ（まとめ）

生成AIの発展を支える計算インフラを巡り、グローバルに投資と競争が一段と激化しています。
エヌビディアは自社技術を核に他企業との連携を拡大し、クラウド大手やサーバーメーカーとの協業でエコシステムを強化しています。
一方、中国では新興企業が巨額の資本を集め、政府主導のもと国産チップ育成に動き出しました。さらに、サービス提供企業による地域でのデータセンター建設も加速し、AI時代のインフラ版図は世界的に拡大しています。
こうした多方面の動きを追い風に、AIエコシステムはより多元化・高度化していくでしょう。
それでは来週も最新ニュースをお届けしますので、お楽しみに！