PXC Weekly Journal #37 2025/12/2

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こんにちは!
ピクセルカンパニーズ広報のYです。
今週も世界のAI・GPU・データセンター・半導体関連の最新ニュースをお届けする『ウィークリージャーナル』の時間です。今週のテーマは「AIインフラ拡張と競争の多極化」。生成AIを支える技術基盤の拡大に向け、各国・企業が巨額投資や提携・技術開発に動く一方、電力・冷却など持続可能性の課題も浮上しています。それでは、今週のピックアップニュースをどうぞ!

ピックアップニュース

NVIDIA、OpenAIに最大1000億ドル出資の戦略提携

OpenAIとNVIDIAは次世代AIモデルの大規模訓練・展開に向け、少なくとも10GWのNVIDIA製システムを導入する戦略提携で合意しました。計画実現に向けNVIDIAは最大1000億ドル(約14.8兆円)を段階的に投資する見込みです。OpenAIはNVIDIAを優先パートナーと位置づけ、両社は今後数週間で詳細契約の締結を目指します。
ソース:NVIDIAがOpenAIに最大14.8兆円投資 10GW規模のAIインフラ構築へ 

グーグルTPU猛追、「NVIDIA一強」に風穴も

アルファベット(Google)が開発するAI用半導体「TPU」が、NVIDIA支配の市場に変化をもたらす可能性が指摘されています。テクノロジーニュースサイトの報道によれば、メタが2027年に自社データセンターでTPU採用を協議中とされ、このニュースを受けアルファベット株は上昇、エヌビディア株は5%超下落しました。実現すればTPUが長期的にNVIDIAの市場独占に挑むシグナルとなります。Googleは既にスタートアップのAnthropicに最大100万個のTPUを供給する契約を結んでおり、AIチップ開発競争は一層激化しています。
ソース:AIチップ開発競争、グーグルが猛追-「エヌビディア1強」に風穴も

SuperMicro、72基GPU搭載の液冷クラスタをSC25で披露

SuperMicroはHPC国際会議「SC25」にて、次世代GPU「NVIDIA Blackwell」や直接液冷技術を採用した最新のAI/HPCインフラソリューションを公開しました。注目のラック型システムでは1ラックにBlackwell GPUを72基とGrace CPUを36基搭載し、従来比大幅な性能向上と高密度化を実現します。この他、液冷対応の高密度サーバーやAI開発向けワークステーションも展示され、AI/HPCワークロードの迅速かつ効率的な展開を支える狙いです。
ソース:Supermicro、Supercomputing 2025でHPCクラスターとAIインフラの未来を披露 

シュバルツ、独に欧州最先端AIデータセンター建設へ110億ユーロ投資

ドイツの小売大手シュバルツ・グループ(Lidlなど運営)は、ブランデンブルク州リュベナウに欧州最先端のAIデータセンターを建設すべく110億ユーロ(約1.7兆円)を投資すると発表しました。同社史上最大の投資で「欧州のデジタル主権への投資」と位置付けられています。旧火力発電所跡地に段階的に建設され、第1期は2027年末完成予定。初期容量は約200メガワットで最大10万枚のGPUを搭載し、AIモデルの学習や推論に対応します。これはドイツテレコムとNVIDIAが進めるミュンヘン計画(約1万GPU規模)を大きく上回り、EUの「AIギガファクトリー」構想に匹敵する規模です。施設は再生可能エネルギー100%で稼働し、直接液冷方式を採用、2028年以降は廃熱を地域暖房に供給する計画も示されています。
ソース:小売り大手シュバルツ、ドイツ東部に欧州最先端データセンター建設で110億ユーロ投資

CMEで冷却障害、AI時代のデータセンター課題が浮き彫りに

米CMEグループのデータセンターで冷却設備の故障により約10時間にわたり先物取引が停止する障害が発生し、データセンターにおける冷却技術の重要性に改めて注目が集まりました。AI用途の急増に伴いサーバーからの発熱量が飛躍的に増加しており、大規模施設では従来の空調(空冷)に加え冷却液を使った直接液冷など新たな手法の導入が進んでいます。液冷は同容量の空気より多くの熱を運べ高効率な一方、設備コストの増大や万一の液体漏れリスクなど運用上の課題も伴います。冷却不足による過熱はサーバー停止や高価なチップ損傷など深刻な影響を及ぼしかねず、AI時代におけるデータセンター運営の新たなリスクとして認識されています。
ソース:データセンター冷却なぜ難しいのか、CMEの障害で再び注目

世界情勢と今週のテーマ

今週のキーワードは「AIインフラ拡張と競争の多極化」です。
生成AIへの旺盛な需要を背景に、NVIDIAによる巨額出資やSuperMicroの技術革新をはじめ、米グーグルなど他のIT大手や欧州企業も自前のAI基盤整備に乗り出し、計算インフラ競争はグローバルに多元化しています。一方で、膨大な計算能力を支えるデータセンターの電力消費・冷却負荷の増大や地政学的規制といった課題も一段と顕在化してきました。AIエコシステムの持続的発展には、各プレイヤーが競争と協調のバランスを取りつつ、インフラの効率化や環境対応策を追求していくことが肝要でしょう。来週も最新ニュースをお届けしますので、お楽しみに!

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