PXC Weekly Journal #10 2025/05/28

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こんにちは!ピクセルカンパニーズ広報のYです。

2025年5月20日〜5月26日の間に世界で話題になったAI・GPU・データセンター・半導体関連のニュースをお届けします。ビジネスや技術の進展が目覚ましいこの業界、今週も最新動向を一緒にチェックしていきましょう!

では、今週(2025年5月20日〜26日)のピックアップニュースです。

ピックアップニュース

① オラクル、エヌビディア半導体400億ドル購入へ オープンAI向け=FT

米オラクルが約400億ドルを投じ、エヌビディアの最新AI半導体「GB200」を約40万基購入しオープンAIの新データセンター向けに提供する計画が明らかになりました。この大規模調達は「スターゲート・プロジェクト」と呼ばれる米国のAIインフラ計画の一環で、テキサス州に建設中のオープンAIのデータセンターは来年半ばにフル稼働予定です。オープンAIはマイクロソフトのクラウド容量では追いつかないほどの計算需要を抱えており、新データセンター稼働でMSへの依存を低減できる見通しです。オラクルにとっても、自社クラウド能力を強化しAWSやAzureなど競合大手に追いつく好機となると報じられています。

ソース:オラクル、エヌビディア製AIチップを400億ドルで調達へ – オープンAIの巨大DC構築支援

② エヌビディア、安価な中国向け「ブラックウェル」発売を計画=関係者

米エヌビディアが中国向けに低価格版AIチップ「ブラックウェル」を発売する計画であることが関係者への取材で分かりました。米政府の対中輸出規制で販売できなくなった現行「H20」モデルに代わる製品で、価格はH20(1万〜1万2千ドル)の半額程度の6,500〜8,000ドルに抑える見通しです。高帯域メモリの代わりに標準的なGDDR7メモリを採用し、先進的なパッケージ技術を省くなど仕様を簡素化してコスト低減を実現するとのこと。早ければ6月にも量産開始予定で、中国市場で失ったシェア奪回を狙います。

ソース:エヌビディア、中国向けに低価格版「ブラックウェル」チップを投入へ

③ 米アップル、外部開発者にAIモデル公開か=報道

Bloombergの報道によると、アップルは自社の生成AIモデルをサードパーティ開発者に開放する準備を進めているようです。独自の大規模言語モデル(LLM)を基盤としたソフトウェア開発キット(SDK)やフレームワークを提供し、外部開発者がアプリにアップルのAI機能を組み込めるようにする計画で、6月9日開催のWWDC 2025でこの構想を発表する見通しとされています。当初はクラウドを介した高度なモデルではなく、デバイス上で動作する小規模モデルから公開開始する方針とも報じられており、アプリ開発の活性化を狙ったアップルの動きに業界の注目が集まっています。

ソース:アップル、独自生成AIモデルを外部開発者に開放か=Bloomberg報道

④ 米グーグル、検索サービスのAI機能強化 定額課金プランも発表

グーグルは年次開発者イベント「Google I/O 2025」において、自社検索サービスでの生成AI機能提供を大幅拡大すると発表しました。全米のユーザーが検索を「AIモード」に切り替えて複雑な質問にAI生成回答を得られるようになり、利用頻度の高いユーザー向けには月額249.99ドルの「AIウルトラ・プラン」も開始します。この高額サブスクリプションでは、AI利用上限の引き上げに加え、操作自動化ツール「プロジェクト・マリナー」や次世代AIモデル「ジェミニ」の高度推論版「ディープシンク」など試験的機能への優先アクセス権が含まれます。OpenAIなど新興勢力との競争が激化する中、グーグルは検索のユーザー体験にAIを深く組み込みつつ、新たな収益源の模索も進めているようです。

ソース:グーグル、検索AIを強化し「ウルトラプラン」導入 – 月額249ドルの高機能AIサービス

⑤ 米アンソロピック、最新AIモデル発表 数時間の自律コーディング可能に

ChatGPTの対抗馬と目されるスタートアップAnthropic(アンソロピック)が最新の対話型AIモデル「Claude(クロード)・オーパス4」を発表しました。従来モデルに比べてはるかに長時間にわたる自律的なコード生成が可能で、早速日本の楽天がこのモデルを使い約7時間連続のコーディングを実施したとも伝えられています。また現行モデルより小型でコスト効率に優れた派生版「クロード・ソネット4」も併せて公開されました。Anthropic社のCPOであるマイク・クリーガー氏は、今回のリリースがAIの自律性向上における画期的な一歩だと述べており、コード生成以外にも複雑な質問への即答や長時間推論など多彩な能力強化が図られているとのことです。

ソース:Anthropic、「Claude Opus 4」発表 – 自律コード生成や長時間推論が可能に

世界情勢と業界の流れ

今週のニュースから浮かび上がるのは、グローバルなAI競争の一層の激化と巨額投資の波です。生成AIブームを追い風に、米ハイテク各社はクラウド基盤やサービス強化に数百億ドル規模の投資を惜しまず、AI人材や顧客を巡る覇権争いを繰り広げています。また、その陰では米中テクノロジー摩擦も依然として産業戦略を左右しており、エヌビディアの中国向けチップ開発計画に見るように、規制の網をかいくぐる動きや各国の自給自足志向が鮮明です。さらに、AIモデルの高度化に伴うエネルギー需要やインフラ負荷への対応も重要課題となっており、大手同士の提携や新技術開発から新興国でのデータセンター建設まで、世界規模で持続可能な体制づくりが模索されています。今週のトレンドは、まさに「AIへの攻め」と「足元の固め」が同時進行するダイナミックな情勢と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?
今週は、オラクルとエヌビディアの超大型提携、AppleやGoogleの生成AI戦略強化、さらには中国向けAIチップの新展開など、AIとクラウドをめぐる主導権争いが一段と白熱した週でしたね。各社が一手先を読む動きからは、この分野のスピード感と競争の激しさがひしひしと伝わってきます。

次週以降も、政策・技術・インフラが交錯するダイナミックな業界動向を分かりやすくお届けしていきますので、引き続きご注目ください!

今週も最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた来週!

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