PXC Weekly Journal #33 2025/11/04

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こんにちは!ピクセルカンパニーズ広報のYです。

今週も世界のAI・GPU・データセンター・半導体関連の最新ニュースをお届けする『ウィークリージャーナル』の時間です。
今週は『グローバルで加速するAIインフラ投資と半導体競争』がテーマです。
NVIDIAとSKグループによるアジア最大級のAIデータセンター構想、Supermicroの米政府向けAI戦略、さらにMetaの簿外スキームを活用した巨額調達など、次世代AIモデルを支える裏側では国家規模の産業投資が連鎖しています。一方で、米中の地政学的な規制の影響を受けて、中国勢による“脱NVIDIA”の自前GPU開発も加速中。ハードウェアインフラの主導権を握るための競争は、新たなステージに入りつつあります。

それでは早速、今週のピックアップニュースをどうぞ! 

ピックアップニュース 

NVIDIA、米エネ省向けAIスパコン構築へ – AIチップ受注総額5000億ドル

米NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、米エネルギー省(DOE)向けに7台の新たなAIスーパーコンピューターを構築すると10月28日に発表しました。これらのシステムは米国の核兵器の維持・開発を支える目的で、最大のスパコンはオラクル社と共同構築され最新GPU「ブラックウェル」を10万基搭載予定です。さらにフアンCEOによれば、自社AIチップの受注残高は総額5000億ドル(約75兆円)に達したとのことです。
ソース:エヌビディア、米エネ省向けスパコン構築へ AIチップ受注5000億ドル

NVIDIAとSKグループ、韓国に5万基GPU搭載のAIファクトリー建設

NVIDIAは韓国財閥SKグループとの協力により、5万基以上の自社GPUを搭載する大規模な「AIファクトリー」(AIデータセンター)を韓国で建設すると発表しました。第1フェーズは2027年後半までの完了を目指しており、完成すれば韓国最大級のAI計算インフラになる見込みです。このAIファクトリーは半導体設計やデジタルツイン、ロボティクス、AIエージェント開発を支えるクラウド基盤として機能し、GPUリソースをSK hynixやSK Telecomなどグループ企業や外部機関にサービス提供する計画です。
ソース:NVIDIA と SK Group、韓国の製造業とデジタル トランスフォーメーションを推進するための AI ファクトリーを構築

Supermicro、NVIDIA協業拡大で米政府向けAIインフラ市場を開拓

米サーバーメーカーのSupermicro社は10月末、NVIDIAとの協業を拡大し、米国政府向けに最適化したAIインフラソリューションを米国内で製造・提供する計画を発表しました。2026年に向けてNVIDIAの最新GPUプラットフォーム「Vera Rubin NVL144」シリーズを市場投入し、1ラック当たり最大144基のGPUを搭載可能な高密度2OUサーバーなど新製品を展開します。米国サンノゼ拠点の製造体制を活かし、TAA(貿易協定法)準拠やBuy American法対応の体制で、政府機関の厳しい要件に応える方針です。
ソース:Supermicro(スーパーマイクロ)、NVIDIAとの協業を拡大し、米国政府向けに最適化したAIインフラストラクチャソリューションの米国製造におけるコンプライアンス、データ整合性、品質を強化

Meta、簿外スキーム活用でAI投資に6兆円超調達

米Metaプラットフォームズは、AI開発競争を睨んだ巨額の投資資金を簿外(オフバランスシート)スキームによって調達しました。同社は10月に約600億ドル(約9.2兆円)もの資金調達に成功し、その半分は特別目的事業体(SPV)を通じた借入で、残る半分は社債発行によるものです。財務健全性への影響を抑えつつ必要資金を確保するこの金融工学的手法は、xAIなど他のAI企業にも広がっています。
ソース:メタの巨額資金調達、半分は簿外-ウォール街が金融工学でAI投資支援

中国GPUスタートアップ続々上場、巨額調達で「脱NVIDIA」加速

中国では国産GPUメーカーの新規株式公開(IPO)が相次いでおり、「脱NVIDIA」の動きが加速しています。上海拠点の沐曦集成電路(METAX)は約39億元(約820億円)の資金を調達する計画で科創板上場を承認されました。競合のMoore Threadsや壁仞科技(Biren)もIPO準備を進めており、中国政府の積極支援を受けて国産GPUの育成が進んでいます。
ソース:中国GPUメーカーが相次ぎ上場へ、AI時代の「脱NVIDIA」に拍車

世界情勢と今週のテーマ

今週のキーワードは「AI戦略の地政学化」。
米国はAI覇権を支えるためNVIDIAを軸に大規模な政府調達を拡大し、韓国や欧州といった同盟国もその流れに加わりつつあります。一方で、中国は輸出規制への対抗策として独自GPUの育成を加速。資金調達やインフラ建設をめぐる動きからも、AIインフラが単なる技術競争ではなく、国際的な影響力の道具として使われ始めていることが見えてきます。世界のパワーバランスが、AIと半導体を軸に再構築されつつあるのです。

来週も、最新の注目ニュースをわかりやすくお届けします。どうぞお楽しみに!

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